【第34章】 百八式「手放す」後編
このときの経験で、私は二つの重大な事実に気づきました。
1.願望実現を「いつか」に設定してる限り、何も起こらない
2.今、この瞬間には何一つ起こっていない
1の方は、インプットにおける重大な誤りでした。
「潜在意識は適当な時期に実現してくれる。
だからそれはいつかの未来のある時点だろう」
と、無意識に先送りにしていた事に気づいたのです。
別の領域(その時は潜在意識)を信頼しようとしながら、まんまとエゴの
常識的判断をセットにしていたのです。まさに、思わぬ落とし穴でした。
後で分かったことですが、「別の領域」に時間の概念はありません。
私たちのエゴが勝手に設定しているだけのことです。
「いつか」と感じている限り、それは永遠に「いつか」です。
だから設定する実現時期は「今この瞬間」以外あり得ないのです。
「明日」でも「今日」でもなく「今この瞬間」です。
インプットの時、それを意識してみてください。
そうすることが、別の領域に素早く手渡すということです。
「今この瞬間に実現するなんて、あり得ない!」
と考えるのはエゴの領域です。
そう思いながらインプットしても、それはエゴの範疇でのことです。
実際に実現するのは、エゴの感じている「今」ではありませんが、
そのエゴが「素晴らしいタイミングだなぁ!」と感じる瞬間に、それは訪れます。
いつまでも成果が出ない、という方。試してみてください。
2の方は、さらに大きな発見でした。
「もうどうにもならない!」
と思ったとき、実際には何も起こっていないということが分かったからです。
頭の中で起きていることをチェックしてみてください。
心配、不安、焦り、疑念、期待、失望、満足…
ほとんど、実際には「今この瞬間」何も起きていない事柄ばかりです。
過去や未来に対して勝手に思考を働かせて、その結果、ある種の感情を
味わっているというだけのことです。
エゴの独り相撲なのです。
本当に「今この瞬間」自分に起きていることは、ほとんどありません。
何か思考が働き出し、過去や未来に行こうとしたら、
「今、この瞬間!」と思って、思考を引き戻してみてください。
何も起きていません。
心配する必要は、何にもありません。
この「何も起きていない」という安心感。
これはまさしく、エゴから自由になった、本当の自分の状態を確認する行為です。
本来なら思考を働かせて心配していたところ、
思考を止めて「そうではなかった」事に気づくと安心します。
そしてこの「今この瞬間」の安心感こそが、次の瞬間の安心感を創造するのです。
よく「現状に満足せよ」と言われるのは、
「今の、不足を感じている状態で我慢しろ」ということではありません。
今この瞬間、安心して満足しているということは、まさに
「安心して満足した状態」を引き寄せる波動の状態であるということです。
何もなくても良いのです。することは「今この瞬間」に焦点を合わせること。
そうすれば、何も起きていない事が分かり、安心感が訪れます。
それを続けていれば、安心し、満足するような現実が自ずと現れてくる、ということです。
瞑想などしなくても、いつ、どこででも出来ます。
思考するのを止め、今この瞬間に焦点を合わせてみてください。
それは、あらゆるトラブルの原因であるエゴから解放された、
深い安心感と満足感を感じるという、とてもパワフルなメソッドです。
そしてそれは、その瞬間「エゴ以外」の領域とつながっている、ということです。
心配するのをやめれば、そんなことは起こらなくなります。
心配すること自身が、それを現実化するプロセスだからです。
エゴはそうやってマッチポンプをすることでしか、存続できないのです。
「エゴ以外」の領域とつながる機会が増えると、それまでエゴが作り出してきた
「問題」に対しても、別の領域からの、完璧な解決が与えられる機会が増えます。
そしてそれはその性質故「エゴの思いもつかない」解決策であり、
完璧であるが故「あっけなく」解決するのです。
こういう事が起きてくると、エゴ以外の領域への信頼が高まります。
これを習慣化してください。そのうち意識しなくても、勝手に手放せるようになります。
今現在、絶望の状態である人もいると思います。
しかし私がそうであったように、こういう方は、逆に願望実現に非常に近い状態です。
何故なら「絶望」という状態であるということは、
エゴがギブアップ、あるいはその寸前の状態であるということです。
理性では「万策尽き果てた」という状態のはずです。
こういうとき「エゴ以外の領域」と非常につながりやすくなります。
絶体絶命から起死回生、ということがよく起きるのは、エゴがギブアップして、
その権限を一時的に別の領域に手渡すからです。
しかし、敢えて絶望を経験する必要はありません。
場合によっては、これも私がそうであったように、
エゴが自分の生命を道連れにしようとすることもあり得るからです。
だから、そんな危険は犯す必要はありません。
「今、この瞬間」の喜びを感じて、それを拡大していけば良いのです。
必要なのは「余計な思考を手放すこと」だけです。
以上、part2でした。
最後に、これも体験上のことですが、
個人的に願望が最も迅速に叶うときというのは
「こうなったらいいな~!!でも、そうならなくても、別にいいや」
と思ったときです。期待があり、執着ゼロ、という状態の時です。
心の中で体験し、満足してポイと投げ捨てられたときです。
難しいですよねw
【第35章】 「別の領域」を信頼する=理屈じゃないことに肯定的になること
「今この瞬間」に焦点を合わせているということは、
「いつか」ということはあり得ないんです。
*もう一度読んでみてください。
私は潜在意識を信頼していたつもりでしたが、実は全く信用していなかったのです。
だから、実現時期を無意識のうちに「未定」にしてしまっていました。
こんな風に、エゴの破壊的思考はどんなところにでも、巧妙に滑り込んでこようとします。
そうさせないためには、敢えて思考を働かせないことです。
つじつまを合わせようとしないでください。それはエゴのやることです。
理性的判断をやめてください。それは、エゴの巧妙な罠です。
そうしている限り、いつまでもエゴの領域から脱することは出来ません。
*「エゴ以外の領域」を信頼するということは、
「理屈では説明できないこと」「理性で判断のしようがないこと」
に対して、思い切って肯定的な姿勢をとってみる、ということです。
そこから始めてみてください。
【第36章】 崖っぷちの状態の中で「今ある現状が最高」って心境になるには?
934 現実はもはや崖っぷちの状態でいる中で、どうしたら「今ある現状が最高です」
って言える心境に持っていけるでしょうか?
どうしてもそれを言おうとすると、自分を偽り、現実逃避をしているという概念が
頭を離れず暗い気持ちになってしまうのです。
断定するだけです。
「現実はもはや崖っぷち」と考えているのは理性です。
それに対して「この状況は、私にとって素晴らしい!!」
これは、エゴにとっては解釈不能な断定です。
理性で判断して
「ふむ、考え方によってはマズイ状況とばかりは言い切れないな」
と自分に言い聞かせた上、そのように断定するのではありません。
頑として断定することと、理性的状況判断は一致する必要は全くありません。
理性(エゴ)がどんな判断を下していようと、いっこうに構いません。
あなたの現在の心境とは関係ないのです。
要は「この状況は、私にとって素晴らしい!!」
と断定する意志があるかどうか、というだけのことです。
その意志というか、勇気を持ってください。断定するだけで良いのです。
【第37章】 究極的な願望実現ツールは「自分自身」
108さんのおっしゃることは、私にもよくわかります。
ただ、エゴ以外の領域に渡すというプロセスが、私の場合、特定の宗教的メソッドや
ヘミシンクなども含みますが、そういったツールを使わないとできないのです。
108さんは、言わば自力で、他力プロセスに手渡しているのですよね。それは、高度です。
私もそういった類のものには、あらゆる分野に手を出してきました。
ですから、あなたの心境は非常によく分かります。
私もそうでしたが、そういったツールに依存してしまうというのは
「願望を実現する力が、自分とは何か別の領域にある」
という観念が元になっています。
そうしている限り、次々とツールの変遷を繰り返すことになります。
使い方によっては有効なものもあるでしょうが、依存症的になっている場合は、
少し距離を置いた方が良いと思います。
私の場合、試行錯誤を繰り返し、最終的に究極のツールにたどり着きました。
「自分自身」です。
私の方法は高度でも何でもありません。
一番身近で、簡単な部分を利用しているだけです。
でも皆さんも、本当はそれを知っているはずです。
私が皆さんに特別な方法を教えているのでは決して無く、
これは皆さんが「そのことを思い出しつつある」というプロセスです。
私のレスを読んで、心のどこかが喜んだということなら、
その人は、その部分を思い起こしているということです。
別に私が、何かを新たに付け加えているわけではないのです。
一度ツールから離れて、
「今、この瞬間」に焦点を合わせることをやってみてください。
それらのものが無くても、安心できる瞬間がある、ということに気づけば、
内面の本当の力に目が向き、利用できるキッカケになると思います。