罠にはまらないことを思い出す
さて、これまでに、「気分」が悪くなったときにはその「思考」に価値がないということを学習しました。
そして、これまでの古い習慣を自覚し、「気分」が悪くなったときにはそれに気づいて立ち止まり、その「思考」をやめてもっと「いい気分」になれることを考える必要があるという知識を得ました。
あなたはこれから、「いい気分」になれる練習をはじめ、新しい習慣を身につけようとしています。
たとえどんな状況や問題が目の前にあったとしても、あなたは影響されることなく「いい気分」でいられる力をもっています。
あなたがそうしたいと思うなら、問題に焦点をあてて大騒ぎしたり、状況によっては落ち込んでいるのが当然だと自分に強制したり、短時間で終わったはずの嫌な体験に関心を向けたりしないでいることができます。
これまではネガティブな反応をしてしまっていたようなことに意識を向けたとしても、それほどネガティブに感じないですむように自分を導き、「いい気分」でいられるようになることが目標です。
そこで、まずは以下のことを忘れないようにする必要があります。
今日からあなたが「いい気分」になろうと決意したとしても、最初のうちには、あなたが好まないものに対してネガティブに反応するという古い習慣がしつこくあらわれてくるでしょう。
あなたが好まない状況に対してネガティブな「感情」で反応すれば、状況はさらに悪化し、あなたの人生に問題を一層呼び込むことになります。
あなたの「気分」が悪くなったときには、ネガティブな「思考」があなたを罠に落としいれ、「思考」の迷路に招き入れようとしているということを、必ず思い出すようにしてください。
あなたが望んでいないなんらかの状況があるとき、あなたが単にそのことについて考えないようにして無関心な態度でいるならば、それはあなたの人生から消えてゆくのです。
ネガティブな「思考」の罠にはまるまいとすることをあなたがうまく思い出し、「問題点」については感情移入することなく無視することができるようになれば、新しい習慣を促進していくことは、それほど難しいことではなくなります。
あなたはこの先の人生の価値観を変える、素晴らしい習慣を身につけようとしています。
「いい気分」になれる工夫をし、「いい気分」でいられる練習をしていくことは、あなたのライフワークとして身につき、とても楽しい経験となるでしょう。
やがてどんなときにも「いい気分」になろうとすることをタイミングよく思い出せるようになったことがわかるようになります。
あなたがネガティブな「感情」を覚えたときには、これらのことを「思いだす」ということを、決して忘れないでください。
この講座はそんなとき、役立てるためにあるのです。
「思いだす」ことが困難に感じたとき、「いい気分」になることが難しいと感じたときにはいつでも遊びにきてください。
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あなたが「望まないこと」ではなく、「望んでいること」に関心をそそぐなら、あなたは「いい気分」になることができるのです。
「望んでいること」を考える
ここからは、エスター&ジェリー・ヒックスの著書からエイブラハムの教えを教科書として、「いい気分」になれる練習について詳しく説明してみることにしましょう。
あなたは、自分自身のなかに最も信頼できる、「感情」というナビゲーションシステムをもっています。
あなたが「望んでいること」について考えるとき、あなたの気分は良くなります。
あなたが「望んでいないこと」について考えるとき、あなたの気分は悪くなります。
あなたは、あなたが「感じていること」を手に入れるのです。
つまり、あなたが「望んでいないこと」を考えてネガティブな「感情」を感じているとき、あなたは自分が欲しないものを手に入れようとしています。
あなたが「感じていること」が引き寄せの作用点になります。
それが、自身に似たものを引き寄せるという宇宙の法則です。
(宇宙一のそもそも論 「引き寄せの法則」とは 参照)
あなたがネガティブな「感情」を抱くとき、あなたは自ら否定的なものを引き寄せているのです。
そしてこれから、否定的なものを引き寄せるのをやめて、肯定的なものを引き寄せる自分に変わろうとしています。
エイブラハムが「転換のプロセス」とよぶ素晴らしい方法をつかってみましょう。
まず、ネガティブな「感情」を覚えたなら、次の2つのことを思い出してください。
①あなたが欲している大切ななにかがあるということ。
②あなたは自分が欲しているものを見ているのではなく、反対方向をみているということ。
そのことに気づいたら、
「私はなにか大切なものを求めているが、それを見ていない。私が求めているものはなんだろう?」と自分に問うこと。
あなたが求めている大切なことがないのなら、あなたはなんの感情も覚えないはずです。
あなたにとって大切なものを明らかにしましょう。
あなたが「望まないこと」を理解するとき、「望んでいること」はそれと反対のことであるという意味で、あなたは自分が本当に望んでいることが理解できるでしょう。
本当に望んでいることがわかったなら、「私はなぜそれを求めているのだろう?」と自問してみましょう。
そしてあなたが「望んでいること」をなぜ求めているかをよく考えたら、すでに望みを達成している自分を思い浮かべ、欲しいものを手にしている自分、やりたいことをしている自分を思い浮かべましょう。
自分のなかから肯定的な感情がわいてきて、いい気分になれば、「転換」に成功したことがわかります。
このプロセスは、やればやるほど上達し、何度も転換を繰り返しているうちに、いくつかの鍵となる欲求があることに気づきます。
あなたが「いま、欠落していること」に焦点をあてて「望まないこと」を考えるとき、あなたの気分は悪くなり、あなたが望んでいない現状が続いていきます。
しかし、それとは正反対の、「望んでいること」に焦点をあててもっともっと肯定的に考えるようになれば、あなたは素晴らしい未来を創造することになるのです。
あなたが何を望んでいるのかわからないときには、「自分がなにを望んでいるのかを理解したい」「どうすればいい気分になれるのか知りたい」と言明することからはじめましょう。
疑問を口に出して言えば、強力な「宇宙の法則」によって、答えが出現しはじめます。
普段の生活の中で、さまざまな方法で答えが伝えられることに気づくことができるでしょう。
およそ「いい気分」になれない不愉快な「感情」を覚えたとき、ネガティブな「思考」から抜け出せない状態がつらいと感じるときには、「いい気分になりたい」と口に出してみてください。
「私は、気分が良くなりたい。」
「私は、いい気分になるほうがいい。」
そう感じながら、口に出すことができるでしょうか?
「気分」が悪いほうが好きなのか、それとも良くなりたいでしょうか?
「気分が良くなりたい、気分が良くなりたい、気分が良くなりたい・・・」
あなたがそう思うなら、そう言ってみましょう。
数回繰り返すうちに、あなたの「気分」はいまよりも必ず良くなります。
・・・しかしそうはいっても、あなたの悩みがもっと深刻だと感じているときには、「気分」が良くなりたいと願ってはいても、それが困難に感じるのは当然のことです。
ほんの少しだけ考え方を考える
あなたの悩みが深刻であると感じているほど、「いい気分」になることは非常に困難に感じられるでしょう。
あなたはそんなとき、「いい気分」になる必要性を忘れてしまうかもしれません。
一生懸命前向きな考え方をしようと決意したからといって、ポジティブな「思考」がどんどん沸いてきてくれるというわけではありませんから、すぐに疲れてしまうでしょう。
そんなとき、あなたは長い間ネガティブな考え方をしてきたことについて、いきなり素晴らしく気持ちのいい考え方をしようとしているからうまくいかないのだということを覚えておいてください。
あなたが「いい気分」になろうとするとき、必要なのはいまよりもほんの少しだけ考え方を変化させ、いまよりもほんの少しだけ「気分」を良くしてみようと考えることです。
下の図は、エスター&ジェリー・ヒックスの著書「引き寄せの法則」のアメージング・パワー―エイブラハムのメッセージ」の中でエイブラハムが語っている、「感情による誘導の階層」について図解したものです。
あなたがかなり否定的な感情を抱いているときには、階層の下の方に位置していることがわかるでしょう。
あなたがこれから「いい気分」になるためには、この「感情による誘導の階層」を、昇っていかなければなりません。
はじめに、あなたは現在発信している波動から、かけ離れた感情を持つことができないのだということを理解してください。
つまり、あなたが「悲しみ」や「絶望」を感じているのに、いきなり「喜び」や「感謝」へと飛ぶことはできませんが、いまよりもほんの少しだけ改善された違った考え方を繰り返すことによって、階層を昇っていくことはできるのです。
いますぐ幸せな気分にならなければならないと自分に求めるのではなく、いまより少しだけ気分を良くしようとすること。
そうしようと思えば少しだけ気分が良くなれる、そしてそれを繰り返せばもっと気分が良くなる、ということがわかれば、たとえいま気分が悪くても必ずまた良くなることができるのだということが理解できるようになります。
否定的感情が些細なものであり、最近抱きはじめたものであるほど、「感情による誘導の階層」をすばやく昇れます。
長年経験してきたつらい否定的感情であるならば、今日のあなたがいまの「感情」を一日中味わっていたとしても、翌日にはほんの少しだけ改善された違った考え方をするということをはじめ、毎日ひとつずつ上位の「感情」を意識的に選んでいってください。
ホッとして気持ちが楽になるようなことを考えるために、まずは自分や自分の立場を守ろう、正当化しよう、自分が正しいと証明しようという気持ちを捨てましょう。
あなたがすべきことは、いまより心地よい「感情」を選ぶために、わずかでも抵抗の少ない「文章」を作ろうとすることです。
下記に、エスター&ジェリー・ヒックスの著書「引き寄せの法則」の中から抜粋した、ホッとして楽になれそうな文章の例をご覧いただけます。
●宇宙一のそもそも論~あなたが生まれた世界のしくみ~ 参照
いまホッとする言葉を探そう①
いまホッとする言葉を探そう②
あなたの「気分」が悪くなったときには、無二の親友に対して声をかけてあげるようなつもりになって、少しでも心地よくなるような言葉のヒントを探し、文章をつくってみてください。
一度でも、これまで考え続けていた文章よりも心地よいものを探そうという行為をおこなってみれば、その効果が絶大なものであるということを理解することができるでしょう。
広い視点から、より多くの可能性を見出し、より心地よくなれる「文章」をみつけることに上達してください。
あなたは、否定的感情を感じていたすべてのテーマについて、これまでの「信念」を変化させていくことができますので、必然的に人生に変化がおとずれ、あらゆる否定的なできごとが消えていくことになります。
あなたが少しだけ気持ちを前向きに明るくしようと決意し、いまよりも少しだけ楽になれる言葉を探そうとする努力をしたことは、とてもとても大きな一歩を踏み出したことになるのです。
「信念」を変化させていく
「信念」とは、あなたが考え続けている「思考」のことです。
あるテーマについて、そうであるに違いないと信じている「思考」です。
あなたはつねに、あなたが「感じていること」を手に入れます。
つまり、あなたが信じていることが、あなたの現実となっているのです。
現在のあなたの状況は、過去にあなたが感じ、信じてきた「思考」の結果です。
そしてまた、あなたが思う「現在の状況」とは、単にあなたのこの時点での「感じ方」に過ぎません。
この時点でのあなたの「感じ方」は、つねにあなたの未来を創造しています。
つまり、あなたが好まないものに対していつものように否定的に反応し、見たままに感じたり話したり嘆いたりしていれば、あなたの好まないことは、繰り返しあなたの未来に反映されていくことになります。
否定的な感情を手放して、あなたの未来を望んでいるものにするためには、あなたのいまの「信念」を変化させ、「感情による誘導の階層」を昇っていく必要があるのです。
下の図をみてください。
まず最初に、あなたが望む場所へと近づいていくためには、いまのあなたがどこにいるのかを把握することが大切です。
金銭的なこと・物質的なこと・身体的なこと・人間関係・自分が置かれている環境や条件などについて気になるテーマをひとつ選択し、あなたの普段からの「思考」が、あなたの「感情」をどのあたりに置いているのかを確認してください。
そしてあなたが望んでいる場所での「感情」との距離を俯瞰(ふかん)してみましょう。
あなたはこれから「信念」と「願望」の距離を縮め、「感情」の階層を昇っていかなければなりません。
なぜなら、あなたの望みを叶えるためには、いま信じている「感情」と望んでいる「感情」が心の中で結びつかなければならないからです。
あなたには「願望」があるけれど、それを叶えるのは無理だという「信念」があるとき、その願いは叶いません。
(→宇宙一のそもそも論「願望を実現させるには」 参照)
つまり、あなたが現状を変化させ、願望を実現させたいのであれば、あなたの「信念」の階層の場所から「願望」の階層の場所へと近づいていく必要があるのです。
しかし、「思考」をもっと良いものに変えようと決意したとしても、強力な宇宙の法則である「引き寄せの法則」は、あなたがいまいる場所から手の届く「思考」に対してしか働きません。
(宇宙一のそもそも論「引き寄せの法則とは」 参照)
そこで、前項の「ほんの少しだけ考え方を変える」でご紹介したとおり、あなたがいまよりもほんの少し心地よく感じられる文章をみつけることができたなら、今日から選択した言葉があなたの「信念」となって置き換わることがわかるでしょう。
要領を得たなら、否定的な「感情」を感じるたびに、あなたがいま考えられるかぎりのいちばんレベルの高い「感情」をもたらす「思考」を選んでみようとする意志をもち、わずかでも心地よい「感情」を感じる文章を作ってみることを繰り返してください。
自分が心地よくなれる言葉や文章をみつけたら、その「感情」をいつでもひきだすことができるように、紙に書いておくことをおススメします。
普段から使用している手帳やノートに書き込んだり、アファメーションをたくさんつくって頻繁に目に入るようにしておくと非常に効果的です。
(もっといい気分になりたい!「アファメーションを貼ろう」 参照)
あなたが「いい気分」になるより重要なことはほかにありません。
しかしだからといって、ポジティブな「思考」をしなければならないと自分に鞭打って生きる必要はありません。
あなたは、もともとあなたに流れ込んでいる「幸せな流れ」に向かって、心の扉を開けておくだけでよいのです。